総  括

 平成27年度は子ども子育て新制度施行の年であり、大きな変革の中で大きく状況が変化した地域と想像以上ではなかった地域があったかもしれませんが、いずれ波紋となって全体にいきわたるような、そういう予感をさせる年ではなかったでしょうか。そんな中、地域子育て支援は保育所においては努力義務、認定こども園では義務化の中で始まりました。

カウンセリング研修は長年講師を務めてもらっている杉田峰康氏の安定感ある講義に「わかりやすい」との声は勿論のこと、リピーターが毎年出るほどの充実ぶりで県外からの受講者が絶えない優れた研修会となっています。

子育て支援スキルアップセミナーも、子どもの発達を捉え直し更に現代の子育て事情と照らし合わせながら こどもと保育研究所・ぷろほ 所長の山田眞理子氏の情熱により丁寧に研修をしていただきました。

両研修会を熊本子育てネットの研修事業の主力として、「保育士による子育て支援」を着実な指導と確かな方向付けにより、熊本の地にしっかりとその力をつけていただいています。今年度も引き続き事業継続を両講師にはお引き受けをいただくことが出来、感謝を申し上げる次第であります。その他にも特別セミナーや実務担当者視察研修会などを実施することが出来、慌ただしい新制度の初年ではあったのですが遜色ない事業実施ではなかったかと振り返ることでもあります。

さてここで冒頭に戻るわけですが、保育所は努力義務・認定こども園は義務化が課せられた「地域子育て支援」ですが、当然のことながら義務と努力義務では責任の度合いが違います。責任の度合いの違いは「本気度」の違いとなって現れ出てくるかもしれません。そしてその積み重ねは年々大きな「差」となって現れ出てくるのかもしれません。

平成29年度はまた更に大きな波である社会福祉法人改革がやってまいります。社会福祉法人とは何か?が大きく問われることでしょう。それは社会から問われるところから始まるのでしょうが、基本的には「自らの問い」として最初から課すべき問いであったのかもしれません。

「地域子育て支援」は「社会福祉法人とは何か」という問いを改めて問うていくカギであるかもしれません。今までは担当者のスキルを上げていくことに研修事業を集中化して特化してきた連絡協議会で良かったのかもしれませんが、時代の流れとともにこの立ち位置は否が応でも見直さなければならない時期になったのかもしれません。センター長こそが率先して「地域子育て支援とは何か?」これを本格的に問う時代がやってきたことを覚悟しなければならないのではないでしょうか。

このことを運営委員会より問題提起をして、27年度の総括としたいと思います。                       

(文責:橘 孝昭)