子育て支援スキルアップセミナー(5回連続研修)報告

【テーマ】
『子どもの発達をとらえ直す』-よりよき子育て支援をめざして-
【講 師】
山 田 眞理子 氏         子どもと保育研究所・ぷろほ所長、九州大谷短期大学 名誉教授
【日時・参加人数・研修テーマ】

・第1回 6月27日(月)午前10時~午後4時 27名
  「子どもの発達と災害」
・第2回 7月28日(木)午前10時~午後4時 27名
  「3~5歳児の発達」
・第3回 8月29日(月)午前10時~午後4時 27名
  「発達の把握について」
・第4回 10月31日(月)午前10時~午後4時 27名
  「0~2歳児の発達・保護者支援」
・第5回 11月29日(火)午前10時~午後4時 27名
  「保育所保育指針について」

【会 場】
 熊本県民交流会館パレア・熊本森都心プラザ
【アンケートより】
  1. 研修を終えて
    ① たいへん良かった 18名(アンケート提出人数:18名)
  2. 具体的にはどういうところですか?
    • 今までの保育の中で、どうしてこの子は…、の気持ちがあったのが、そうすることに意味があるということを改めて考えさせられるきっかけとなった。子どもだけでなく、母の気持ちを知る機会となった。
    • 子どもが何を求めているのかを考えて保育をするということ。子どもの困った行動はSOSのメッセージであったり、ニーズがあると考える。また、保育の専門だけではなく、アロマやマッサージなど保育の専門外のことも活用していくと保育が豊かになる。メディアが子どもに与える影響。
    • 自分自身を見直すきっかけとなり、保育の考え方や対応を更に工夫する機会ができました。又、1対1の関わりができるよう、そして常に子どものSOSに気づき、受け止めていこうと思いました。
    • 今年は地震もあり、子ども達のことをしっかり考えるという意味で、災害のケアなど学びました。又、3~5歳児の子どもの発達をとらえるということで、子どもの立場に立って、保育者の視点から詳しくお話くださり、発達検査についても伝えていただき、私が受け持つクラスの子ども達の事を少しは気持ちも分かり、把握できたと感じます。
    • とても分かりやすい説明で、事例など交えながらだったので、自分の保育や園の子どもの姿を照らし合わせながら、理解や考えることができました。また、他の園の先生ともグループ討議などで話す機会があり良かったです。
    • 先生が書かれた本「機微を見つめる」を知り、読むことが出来て本当に良かったと思いました。研修は、どの回も先生の話が分かり易く、自分の中に入ってくるものでした。子どもの気持ちに寄り添う、子どもの気持ちになって考えるということも、1人称にしてみることでよりいろんな見方や考え方ができるように思いました。これからも、3~5歳の発達課題の子どもが見守られていると感じて安心して毎日を過ごせるよう心がけて、子ども達と関わっていきたいと思います。
    • 5回にわたり、1日じっくりと研修ができました。子育て支援・親支援の大切さや、保育士としての基本的な心構えも再確認でき、とても勉強になる研修ができ感謝しています。
    • 発達検査表など、保健師さんと心配な所を分かりやすく話ができて、スムーズに進めることができるようになった。保育所保育指針の大切さが分かりました。子どもが育つために必要なことを振り返りながら、活用していきたいと思います。
    • 「子どもの発達をとらえ直す」というテーマで、5回受講する機会を与えてくださり、とても感謝しております。子育て支援をするにあたり、子どもの発達を理解することへの感謝、支援者が主観的な視点で捉えていたのを、客観的に、そして子どもの視点を考えて、いつも子どもの立場になって、子どもの気持ちは…という視点で何度も何度も繰り返しながら伝えてくださりました。適切な援助技術、質を高めるという観点からも、今までの支援を振り返ることができ、今後の支援の糧となりました。山田先生にもお逢いでき、受講できたことが一番うれしかったです。
    • すぐに実践で取り入れられるようなアイデアやお話があって刺激になった。又、具体的な事例が豊富で、園にいる子ども達の姿がよりイメージできて、より分かりやすく、とても勉強になった。
  3. 今回受講した方のフォローアップ研修を希望されますか?
    ① 希望する(16名) ② 希望しない(2名)

 

【まとめ】
事前レポート提出を義務付けた研修であるが、山田眞理子先生は一人ひとりのレポートを丁寧に読み、参加者の課題や問題点を探り、研修内容も柔軟に対応していただいている。特に今年度は、辻 広明先生(親子遊びの実践指導)を講師に招き、実践・実技を研修に取り入れていただいた。
“子どもの立場になって考える”ということが具体的にどういうことなのか…、子どもの発達をとらえ、子どもの目線で保育を感じる必要性をご指導いただいた。
最近、子育て支援・保育の現場でさえも『子ども』を主語として考えられることが少なく感じる中、子どもの幸せを見守ることの原点を学ばせてもらった。参加者の表情が、回数を重ねるごとに輝いていくように見えた。

    (文責:宇佐美 純代)