第3回 子育てコーディネーター養成講座(4回シリーズ)

【テーマ】 「リーダーシップのスキルアップを目指して」

【講 師】 吉田 道雄氏 (熊本大学 名誉教授)

【日時・会場】

・第1回11月16日(木)12時50分~16時50分熊本市子ども文化会館
・第2回12月13日(木)12時50分~16時50分熊本県民交流館パレア
・第3回 1月25日(木)12時50分~16時50分熊本県民交流館パレア
・第4回 2月20日(木)12時50分~16時50分熊本県民交流館パレア

【修了レポートより】

「リーダーシップのスキルアップを目指して
①②③を通して学んだことをふまえて現場で活かせること」

幼保連携型認定こども園 やまなみ 富田 千代美

職場が保育園から認定こども園に変わり、私に未満児クラスの指導保育教諭という肩書きがついてから、やがて3年が過ぎようとしている。それまで上司に言われるがままに、安全に、そして無難に保育をしてきた私には、職場で発揮できるようなリーダーシップが備わっているとは思えず、その立場に何が求められているのかさえ明確には理解できないままだったというのが正直なところである。リーダーシップとは、その人に生まれつき備わっている力で、そういう人は、バリバリ仕事ができて部下に厳しい指導をして、強引にグイグイ引っ張っていくというイメージがあったからだ。

吉田道雄先生の講義の中で、リーダーシップは対人関係力であり、それを動脈とするならフォロワーシップは静脈で、その両方を学ばなければならないということ、その力はエクササイズで鍛えることができると聞いた時、これから先の道程に光が射した気がした。私でも、その力を鍛えることができるかもしれないと期待できたからだ。「つもり」の自分と周りの人に「見えている」自分は違うということに気付き、常に感受性を高くして習慣や行動、物の見方を変えていくということは、年齢が上がってくるにつれ簡単なことではなくなる。しかし、相手にこれを求めるのはとても難しいが、自分のことなら、自分を鍛えるために自分が努力すれば良いのである。これまでの保育の中でも、子どもや保護者に対して同じような経験はある。「『どうせダメ』では何も変わらない。空気抵抗に向かって飛ぶことで空に舞い上がる。」と言う先生の言葉に勇気が出た。

幸いなことに私は自分の職場が好きである。尊敬できる上司がいて、相談できる同僚がいて、慕ってくれる後輩がいる。働いている職員全員が「やまなみで仕事ができて良かった」と感じられる職場にしたいという思いは、人一倍だと自負している。職員の幸せは保育の質に直結するからである。

具体的な行動目標を文字にすることで、意識付けができることも学んだ。私が目指す理想のリーダー像は「①仕事には厳しく②職員一人ひとりの気持ちや立場に配慮を示し③職場を意欲と達成感で満たす」である。これを手帳に大きく書いた。自分が苦手だと感じていることは「的確で迅速な指示を出すこと」なので、判断力を養うためにも、未満児クラスの主担会議を定期的に開くようにした。様々な意見や提案が聞かれ、それらをまとめて主幹や園長に報告・相談することで、業務の簡素化や職場環境の改善に繋げていくことを目指している。また、今まで職場で「常識」となっていたことも見直すことで改善される可能性があるとわかり、より良い職場作りの風が吹き始めていると感じている。職員一人ひとりの得意なこと苦手なことを知り、持っている力を限りなく引き出せるように努力を求め、自分自身も、妙に物わかりのよいぬるいリーダーで終わらないように努力していきたい。

 

 

「コーディネーター養成講座を通して、学んだこと」

芦北町田浦保育園 子育て支援センター 岩本 公子

まず初めに、私は、吉田道雄先生の講義を受講できたことに感謝をいたします。毎回、どんなお話が聞けるのか楽しみにしていました。これから先、仕事を続けていくうえで、人間関係を築くための基礎を分かりやすく教えていただきました。これまで、私は、たくさんの方と出会い、職場の先生や支援センターを利用される親子とのコミュニケーションを大切にしてきました。いつも明るく、笑顔で自分のことを知ってもらうことや相手のいい面を見つけることを心がけてきました。先生からは、鏡に映った自分を知ることで、もっと豊かな人間として生きる目標を持つことができるということを教えてもらいました。

今の保育園は、町立から民営化し3年が経とうとしています。私が、小学校の現場に約17年間務めた後、保育園の仕事に携わるようになったのは今から12年前です。仕事をしながら思ったことは、先生たちとの関わりの大変さでした。専門的なことでは、ベテランの先生も多く、近づくにはとても努力が必要だと感じました。そこで、私が、保護者の立場から見たときの保育園の対応を思い出しながら仕事に向かい合いました。今から20年前に、二人の我が子を預かってもらったときの温かい先生方の保育は、ずっと忘れられない感謝の思い出として残っています。自分の子育てに協力してくれた母親、地域の人々、小中高の先生方との関係も大きな影響となっています。子育てや仕事を通して、自分の生き方や考え方を職場で発揮できるようにするためにどうすればいいのかについても学ばせてもらいました。

自分が、求められるリーダーとして特に心がけたいと思ったのは、「気づくリーダー」です。先生の言葉の中に、「日々の繰り返しは、自分の意欲や自信につながる」そして、何よりも生き生きとした人生を送るために、仕事を誇りと思えるように自分自身が動き出すことが大切であるということが、強く印象に残っています。リーダーには、責任と負担と不安もありますが、自分ならもっと頑張れると信じて仕事をしていると、人にも喜びを与えることができると思いました。

「リーダーシップは、サービスだ」ということも心の中に備えていたいものです。しかし、集団組織の中にはマイナスの常識を持った人もいて、その場に応じた改善策を考えなければいけないこともあります。そんな時は、自分がフォロアーになって人生の先輩の園長先生や主任の先生にすぐに相談することにしています。そして、いい常識はもっと伸ばし、悪い常識はなくしていきながら、集団としていい方向に変わりたいと思うリーダー的存在でありたいと思いました。

今回の研修会では、毎回設定されたグループの意見交換会がありました。自分の意見をまとめることや人にわかりやすく伝えることの難しさを感じながらもその効果は大きく、今後の自分の仕事で活用できることを探し出すことができ、大変勉強になりました。

最後に、これまで生きてきた自分を振り返ることから始まって、素敵な人との出会いは自分の人生の道しるべともなり、自分もそんな生き方をしている人に近づけるように頑張りたいと思います。また、この研修で学んだように同じ職場の人に、自分の行動を見つめてもらってプラスの行動に気づいてもらえたらそれぞれの人間力も高まっていくと思います。そして、先生の講義の中の青信号の教育の中で、「今日育」には、計画、実践、振り返り、を意識しながら一日一日を大切に仕事力につなげていきたいと思います。この研修でたくさんのことを学ばせてもらい、自分の目標をもっと明確にすることで、自分と関わる人が、安心や幸せを感じてもらえたらと願っています。先生、素晴らしい講義をありがとうございました。