平成２９年度 カウンセリング研修会 報告

【テーマ】「自己変革と成長を求めて」

－ 心理療法統合の時代に向けての交流分析の視点から －

【講　師】　杉田　峰康氏

福岡県立大学名誉教授、日本交流分析学会名誉理事長

【日時・会場】

【研修レポートより】

• 研修の中でエゴグラムによる自己分析があった。自分自身のことは自分が一番知っている、わかっているつもりであったが、自分の生い立ち、両親との関係性にまで思いを馳せ、あらためて自分を振り返ることができた。エゴグラムは、その時々の自分の心身の状態によっても変化するということであったが、講義の中で紹介された事例に、人は一人では生きられない存在であることの真実を痛感した。
• カウンセリングのイメージは悩みを持つ人、困っている人と話をして、良い方向へ向かう解決法を提案していくという難しいイメージのものでした。しかし研修を受け、まず話を聞き、受け止めることが大切だと学びました。
• カウンセリング研修を受けて、今まで特別なこととしてとらえていた「カウンセリング」が保育の中や生活の中で普通に取り入れられるものであることがわかり、自分自身を自覚して意識を支えていく為に、そして保護者支援の為にどのようにとり入れていってらいいか考える機会となった。
• 心が十分に満たされていると相手にも優しく接することができるということを特に気づかされました。
• 欲求が満たされないと攻撃的になると言われ、未満児クラスを担任していた頃を思い出しました。噛みつきや手を出して引っ掻くなど、子どもからＳＯＳのサインを出していたのに、その子としっかり遊んでいたのか、抱っこしていたのか。噛みつきが続くと「また…」と正直思ってしまう自分がいて感情が強く出てしまい、子どもの甘えや欲求をしっかりと受け止めていなかったのかと反省しました。その子に何が必要なのかしっかり子どもに目を向けて関わることが大事だと思いました。
• 人は心のふれあいを求めて生きているというストローク理論は納得のいく内容で、本当に現代社会で今失われつつある部分のことだと思いました。ストロークの必要性は子供だけに限らず、大人になっても職場で、保護者の方に対しても言えることだということを改めて感じました。発達段階においては、乳児期は人に触れてもらいたいストローク、子ども時代は人に認めてもらいたいストローク、成人では人生を有意義に過ごしていたいというストローク欲求があること、そしてプラスのストロークとマイナスのストロークがあり、プラスのストロークがあるととてもいい気持ちになれる、マイナスのストロークは逆に嫌な気持になるということも改めて、その必要性と共に確認することができました。
• ストローク理論の講義では、親子のスキンシップは日ごろから大切だとわかっているものの、どうして大切なのか、それが与える影響まで理解していなかったが、今回聞くことができた。プラスのストロークが足りないとマイナスのストロークで補おうとする。その負の連鎖を当事者は気付かない。１つのボタンの掛け違いが親子の溝を大きくするのだと感じました。認めてもらうこと、いい気持ちになること、それは子どもだけでなく大人になっても自分の存在を肯定できる一番の大切なことだと思いました。常にプラスのストロークで接していけるように心がけたいです。
• 先生の話を伺って、話を聴くことに徹しているか、自分の考えをつい言ってはいないか、反省する機会が持てました。母親は答えを求めているのではなく自分の気持ちを分かって欲しい。常にそのことを念頭に置き、「支援センター」に遊びに来てよかったと言って頂けるよう努めていきたいと思います。
• 自分たちが見ている子ども達の行動や話をさらに注意深く観察し、ありのままの子ども達を受け入れなければならないと思いました。そしてその後ろには沢山の保護者の方がおられ、その方々の育ちはどうだったのかという所も以前より考えるようになりました。子どもと共に保護者も同じように受け入れる必要性を強く感じました。
• 問題解決よりも、悩みを聞いて欲しいと思っているクライエントがほとんどだとお話にもありましたが、本当にそうだと実感しました。

（文責：小嶋 建輝）