子育て支援スキルアップセミナー（５回連続研修）報告

【テーマ】 『子どもの発達をとらえ直す』－よりよき子育て支援をめざして－
【講　師】　山　田　眞理子 氏
　　　子どもと保育研究所・ぷろほ所長、九州大谷短期大学 名誉教授

【日時・参加人数・研修テーマ】

・第１回　　６月２６日（月）　１０時 ～ １６時　　３４名

「子どもの発達（０～３歳）」　「子どもの発達と社会環境」

・第２回　　７月２４日（月）　１０時 ～ １６時　　３４名

「子どもの発達を把握する」?発達検査とスモールステップ
「子どもの発達を把握する」②ＡＤ/ＨＤ・対人関係・ＪＳＩ－Ｒ

・第３回　　８月１０日（木）　１０時 ～ １６時　　３４名

「表現」?クレパス体験　　「表現」②インプロワーク体験

・第４回　１０月２３日（月）　１０時 ～ １６時　　３４名

「事例研究：事例を通して保育を考える」　「相手の立場に立つ・一人称ワーク」

・第５回　１１月２８日（火）　１０時 ～ １６時　　３４名

「保護者支援・子育て支援」　「新保育所保育指針から学ぶ」

【アンケートより】

１．研修を終えて

①　たいへん良かった　３３名

２．具体的にはどういうところですか？

• 発達の課題から、それに対する保育士の関わり方など、保育士の専門性を学ぶことができ、保育士の仕事に誇りを持って働くことができるようになった。
• 発達検査のやり方が分かったことで、園でも実践できたこと。子どもの立場になって考えたり、行動したりすることなどを心掛けるようになった。子どもの行動の意味を考え、自分の保育を考え直すようになったこと。
• 保育士として子どもの発達を理解し、どう保育しなければならないのかを勉強し、子どもに寄り添い関わることの難しさを感じ、今までの保育を反省できたこと。自分がこれからどう子ども達に関わらなければいけないかを、自分の中でしっかりと考えることができたというところです。
• 具体的な事例であったり、一人称ワークなどを通して、より細やかに分かりやすく実践に生かしやすかったです。保育の奥深さ、難しさ、責任の重さ、やりがいを感じると共に、これまでの自分を振り返り、自己嫌悪というか深ーく反省もしました。でも、やっぱりこの仕事が好き！と再確認できました。
• 一人称で子どもの立場になって作文したことで、普段困ったなと感じていたことも視点を変えて本当の意味でその子どもの気持ちを考えることができました。初回の講義の中で、各年齢で体験すべきことを丁寧に教えてくださったこと。
• 子どもの発達が分かったつもりで、日々子どもに接していたことに反省しました。できないこと、難しいと思うサインを読み取り、手厚い保育が出来るよう努めていきたいと思います。
• 子どもがしたいと思うことを実現させてあげられることが大切と言われ、子どもの行動を見た時、一人称ワークで学んだことも踏まえ見てみると、様々な可能性が見えてきたことがとても良かった。我が子もちょっと変わった子なので（笑）、子育てにもとても役立っています。
• 検査をしたからと安心するのではなく、その子にあった保育、相手の気持ちにということで、毎日の保育を子どもにあわせていけるようになり、子ども達も名前を呼び寄ってくるようになりました。
• 自分の保育に対して、凝り固まっていた考え方を見つめ直せた点。困りがある子どもに対して、どう手助けをしてあげたら良いか、１人の問題としてではなく、全ての職員で見守っていこうという意識が強く持てた点。
• ぼんやりしていた所を突き詰めてしっかり考える機会が持てた所が良かった。子どもの時間を使って、私達が保育しているという気持ちの在り方が大切と思った。通しで５回もテーマに沿って研修を受けることができないので、とても学びの時間を持てた。改めて、保育は素晴らしい仕事だと思う。

３．今回受講した方のフォローアップ研修を希望されますか？

①希望する（２９名）　②希望しない（２名）　無回答（２名）

４．希望された方は、どういう内容を期待されますか？

• 保育の現場の声をもっと理解し、よりよい保育として研修で習ったことを、もっと活かせるように。
• 事例研究をどんどんして、一人ひとりについて考えていきたい。
• 現場での保育事例をもとに、考え方・関わり方・その子に応じた援助など。
• 子どもだけでなく、保護者の方との関わり方（カウンセリング的な）を学びたいです。そして、発言の仕方…、難しいなと日々感じています。
• 事例を通して事例検討をし、アドバイスをいただけたことがとても勉強になったし、日々の保育にも役立つことが多くあったため、次回までの間に気になる子がいたら、その子の事例を通して、また学べたらと思います。
• メディアに関すること。年齢別の発達や具体的な実践エピソードなど。
• 言語について。
• ケアレポートの書き方をしっかりと自分のものにしたいので、レポートの書き方の内容を希望します。
• 保育環境、年齢にあったオモチャ、保護者との向き合い方
• 以前見ていただいた子どもの様子をもう一度見つめ直し、卒園までのヒントをさらに見つけ出していきたい。また、自分に足りていない支援の新しい方法も学びたい。

５．今後、子育て支援センター職員の専門性の向上の為には、どのような研修が必要と考えられますか？

• 新保育指針について、もっと詳しく知りたいです。事前レポートやクレパス運動は続けていっていただきたいです。
• 伝え方のスキル、虐待について（発見・対応・予防）、保護者支援
• 保護者対応や支援、わらべ歌や絵本などの講座
• 発達障がいを持つ子の支援方法を学ぶ。
• 子育て中の家族に、子育ては難しいけれど楽しいと伝えられるように、人間性と保育士力が実に着く研修
• 地域資源や専門家との繋がりについて
• 園から研修に出せる職員には限りがあるので、同じ内容で続けていただきたい。実際の保育に本当に役に立つ研修なので、多くの職員にも受けてもらいたい。
• 保育士自身のメンタルケア
• 子育てを取り巻く、就労の法的な方面からの話し

【総　括】

保護者として、子育て支援者として、保育の質の向上の必要性を考え、このスキルアップセミナーを行うようになった。そして、国の示すキャリアアップの研修として指定を受け、熊本子育てネットが求めてきた研修の意義が認められたように思う。山田先生の保育（子育て支援）に対する熱意にも感謝しつつ、学びを広く深く、息の長い研修としていきたいと心から思う。　　　　　　　

（文責：宇佐美 純代）