2019年度 事業計画・テーマ(案)

子育て支援の不易を問う ― 共に歩む子育て支援を目指して ―

 

かつて日本は、西洋から「子どもの楽園」と呼ばれ「子宝」の言葉とともに地域社会で子どもが大切にされてきました。しかし、近年発生している虐待事件ではいずれも親が加害者となり「しつけ」の名目で虐待が繰り返されていました。増加する虐待事件を防ぐために2000(平成12)年には児童虐待防止法が制定されました。しかし、民法では親が子どもを戒める「懲戒権」を認めており、このことが「しつけ」を虐待の口実にされているとの指摘もあり「子どもの利益のため」という文言が民法の中にさらに追加されました。

政府は、児童虐待事件が相次いでいることを受けて、児童虐待の防止策を強化するために児童虐待防止法などの改正に、親の「しつけによる体罰禁止」を盛り込むことを決定しました。

体罰の禁止については、子どもの命を守るという意味においては非常に重要なことです。しかし、「育児不安」が蔓延している子育ての現場では、法の改正に伴い体罰以外の必要な「しつけ」もできなくなる「育児崩壊」が起きるのではないかとの懸念もあり「しつけ」「体罰」のあり方が問われています。

虐待防止において、「子どもを被害者にしない」、「保護者を加害者にしない」という2つの視点が考えられます。前者はいわゆる虐待の防止・発見・予防といった専門職としての視点ですが、これは言い換えれば親が虐待をしているのではないかという疑いの視点を伴うものであります。一方後者は、親の不安や負担感、大変さを丸ごと受容して包括的に親子を支援していくという共感的支援の視点です。

多くの保護者が戸惑い、萎縮し、悩みを抱えながら子育てに向かうことが予測されるなかで、私たち子育て支援の実践者には、保護者を受容し、保護者に寄り添い、共に歩もうとする姿が求められます。

今年度も熊本子育てネットは、3つの研修を大きな柱として活動します。

さらなる現場職員の質向上を目指し、今回最終年度となる杉田峰康先生の『カウンセリング研修』、山田眞理子先生の『スキルアップ研修』、吉田道雄先生の『子育てコーディネーター養成講座』を熊本県保育士等キャリアアップ研修として指定を受け、開催いたします。

子育て支援を充実させていくには、私たち子育て支援の実践者と保護者、子育て支援施設と地域との信頼関係が必要です。
熊本子育てネットのそれぞれの研修を通して、参加者が学びを深め、名実ともにキャリアアップしていく姿を目指します。

 

 


2019年度 事業計画

Ⅰ. 総会並びに公開講座の開催

期 日  4月24日(水) 13時50分
会 場  熊本市国際交流会館 5階 ホール
日 程  13:50~14:45  総会
15:00~17:00  公開講演会
テーマ  『子どもたちへ手渡したい未来』 
講 師  小 澤  俊 夫 氏(小澤昔ばなし研究所 所長)

 

Ⅱ. 子育て支援センター職員研修会の実施

1.子育て支援センター代表者会議及び研修会

対象  子育て支援センター代表者・施設長・主任等

2.実務担当者研修会   会場 天草市

内容:口腔育成、郷土食を活用した食育研修、視察研修、情報交換会等

3.カウンセリング研修会

(キャリアアップ研修:研修種別番号6番保護者支援・子育て支援 申請中)

募集要項のダウンロード

4.子育てスキルアップセミナー

(キャリアアップ研修:研修種別番号1番乳児保育・3番障害児保育申請中)

募集要項のダウンロード

5.子育てコーディネーター養成講座

(キャリアアップ研修:研修種別番号7番マネジメント申請中)

募集要項のダウンロード

 

6.特別セミナー事業の実施

 

Ⅲ.調査研究事業の実施

1.ホームページ・メールマガジン等を活用した育児情報、研修会情報等の発信
2.先進地視察研修
3.関係諸機関・他団体との連携、交流

 

Ⅳ.運営委員会の開催

 年10回程度

 

Ⅴ.熊本県地域子育て支援センター事業連絡協議会創立20周年記念事業

記念セミナー、記念コンサート等 

 

Ⅵ.第10回 子ども・子育て支援全国研究大会 in山梨

テーマ 「連携からはじまる、子育てプラットフォームづくり」(仮)
主 催 日本子ども・子育て支援センター連絡協議会(日本子ども・子育てネット)
主 管 山梨県実行委員会
(保育協議会、山梨県私立幼稚園連盟、認定子ども園設置者連絡会、子育てNPO、県児童福祉栄養士会、療育/児童養護関係者、森のようちえん、その他)
日 程 2019年11月28日(木) ~ 29日(金) 
会 場 甲府記念日ホテル  山梨県甲府市湯村温泉
参加費(予定) 14,000円(会員)  15,000円(非会員)