令和2年度 子育て支援スキルアップセミナー報告
=熊本県保育士等キャリアアップ研修(乳児保育・障がい児保育)=
【目的】
乳児保育及び障がい児保育は、子育て支援の現場で求められる資質の中で、特に子どもの発達を理解する能力技術が大きな比重を占める。今まで個々の主観的な視点で漠然と捉えていた子どもの発達を、改めて客観的に捉え直すことによって子どもへの理解を更に深め、乳児保育・障がい児保育でのより質の高い適切な発達技術に必要な援助技術を習得することを目的とする。
【講師】 山 田 眞理子 氏
子どもと保育研究所・ぷろほ所長、九州大谷短期大学 名誉教授
【日時・参加人数・研修テーマ】
- 第1回 6月4日(火)10時~16時15分 21名
「乳児期の発達と現代的課題」「乳児保育の異議」 - 第2回 7月4日(木)10時~16時15分 21名
「発達の把握とスモールステップ」「障がい児の特徴理解と発達援助」 - 第3回 8月26日(月)10時~16時15分 21名
「障がい児の背景となる環境理解」「コミュニケーションワーク」 - 第4回 10月21日(月)10時~16時15分 21名
「事例を通して考える」「発達検査を第3者に伝わる報告書にする」 - 第5回 11月11日(月)10時~16時15分 21名
「乳児期の適切な関わり」「乳児保育の環境」 - 第6回 11月12日(火)10時~16時15分 21名
「乳児保育における生活リズム」「保育所保育指針と乳児期の発達」
【アンケートより】
- 研修を終えて
① たいへん良かった 21名 - 具体的にはどういうところですか?
- 事前に自分の考えを見つめた上で研修を受けることができた。また、これまで知らなかった事を知る事ができて、実践できる!と思える事ばかりだった。
- 知らなかったことなど沢山の話をきけ、保育士として子ども達にとってどんな存在がいいのか、ということを考えさせられる研修となり、これからの保育につながるものとなりました。
- 全て良かったです。山田先生の一言ひとことが心に響き、もう一度学生に戻って山田先生の講義を聞きたいなあと思いました。そうすれば、今よりもっともっと優しい(子どもの心がわかる)心ある保育士になれたかもと思います。
- 自分の保育を見直す所が多く見つかり、反省もしつつ、子ども一人ひとりに対する言葉であったり、絵本の読み方や遊び方、かかわり方、一緒に楽しむことの大切さを学ぶ機会を頂きました。知り得ない所も学ぶことができて、明日からの保育に生かしていきたいと思う。
- 一人称ワークを学べて、子どもの気持ちをもっと大事にしようと思った。自分を振り返るきっかけとなりました。一人称ワークから手立てが見えるように思った。
- 6回の研修を通して、保育指針の事や発達検査の方法など、多くの知らなかった事を学ぶことができました。
- 乳児保育、障がい児保育を勉強できた。実践が勉強になった。実践から感じとったところを支援センターでも返していきたい。わらべうたあそび&タッチケアも広げていきたい。
- 研修前の事前レポートは、毎回これでいいのだろうかと考えながら苦戦しながらの提出でしたが、それについての研修が毎回楽しみでした。山田先生のお話はとても分かりやすく、ここはこうすればいいのだろうか、これで合っていたのだと、色々考えさせられました。山田先生自身の体験談等もまじえてのお話し、毎回勉強になりました。
- 特に、第1回・2回の研修内容は印象的です。早くからたて抱きにするのはよくないこと、共同注視など、特に0歳児のお母さんお父さんに伝えた方がいいことがたくさんあり、園に戻ってからも報告させていただきました。
- 自分の保育の見直しとなり、保育士としての基礎、ものの見方など学ばせていただきました。また、表現や言葉の出ずらさからの遊びでの支援など、ヒントもたくさん頂きました。
- 全研修を通し、乳幼児期の(0~2)の発達の大切さを改めて感じました。学んだことを保育の中に取り入れていきたいと思いました。
- 子どもの成長、発達のための保育士の役割を詳しく知ることができた。タッチケア&わらべうたでは初めて知るものばかりで、実践していきたいと思った。この研修で学んだことを、明日の保育に生かしていきたい。
- 研修のたびに具体的な例等も教えていただいたので、色々ためしてみることができた。それが全て上手くいった訳ではないが、その子にはどれが合うのか、これからも試みて楽しい園生活ができるようにしていきたい。
- お話を聞くだけでなく、実践的なことや自分自身で考えること、グループ討議などしていただき、体や頭も使って自分自身のためになる学びの場になったところです。すぐにでも実践したくなるようなことを、わかりやすく教えていただけたところ。
- 特にグレーゾーンの子ども達が教えてくれる事で、支援というのは出来ない事を手伝うのではなく、その子がしたい事、出来る事を手伝うこと、得意な事にしてあげることで、1人ひとりのニーズというのを見極めていかなければならないと思いました。
- 今までは、困る子・手のかかる子と思って、禁止する言葉や注意することが多かったのですが、保育者が困る以上に子ども達の方が困っていることに気づけました。わらべうた&タッチケアなど実践できるものがあり良かったです。
- 子どもは、各年齢の発達課題をしっかりクリアする必要があること、メディアの影響、子どもに関するガイドラインなど学びになりました。ケアレポートを書くことで、目の前の子どもをより深く知ることができました。
【総 括】
子育て支援に関わる保育士としてスキルアップをと、子育てネットで「スキルアップセミナー」を計画して6年目になりました。事前レポートを研修会前に提出して臨む5回の連続研修が特徴です。昨年より1講座を増やし、熊本県保育士等キャリアアップ研修として、乳児保育・障がい児保育の取得ができるようになりました。山田眞理子先生の熱意と、真剣に参加された先生方の学びには、まさに子育てネットの研修への思い、質の向上となっているのではないでしょうか。
(文責:宇佐美 純代)